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佐倉を
支えてくれている
匠の皆さま

佐倉を
支えてくれている
匠の皆さま

お仏壇は代々、何十年と受け継がれていく伝統工芸品。
家具などと比べても、これほどまでに長く使われるものは他にないのではないでしょうか。
寒暖の差の激しい日本の四季に耐えうるお仏壇を作るには、
丁寧に素材をつくる手間隙とそれを熟知した匠の高度な技が求められます。
私たち佐倉は、「本物をお届けたい」との想いで、
佐倉が信頼する「匠の技とこころ」をご紹介します。

伝統的なお仏壇は、生地に下地をし漆を塗り金箔や金粉、蒔絵などを施した「金仏壇(塗仏壇)」と、紫檀や黒檀などの銘木を使用した木の風合いある「唐木仏壇」の2種類に分類されます。それぞれのお仏壇によって必要な製作工程は異なりますが、約200ほどの部品はそれぞれ木地宮殿師、箔押師、彫刻師、蒔絵師、金具師など專門の職人による分業で製作され、最後に組立師がそれぞれを組立、調整を行って完成します。
1基のお仏壇は、少なくとも10名以上の職人が携わり、3ヶ月以上掛けて製作しています。

乾燥・木取

数年かけて、じっくり天然乾燥

一番初めの大切な工程が木の乾燥。数年をかけて自然の雨、風に晒し、膨張と収縮を繰り返すことで灰汁を抜き、お仏壇に加工した際のそりや割れ、歪みが起きにくい丈夫な木材になります。
数年かけて天日干しをした後、蒸気乾燥をして木材の含水量を均一化、木材ごとに適したサイズ、必要な本数にカットし整えます。

加工

約二百もの部品を、一つひとつ丁寧に

様々な道具や機械を使い、寸法表にあわせて唐木、和木を練りあわせたり、木型に併せて穴を空けるなど、必要な大きさ、内容に加工していきます。各部品ごとにそれぞれ專門の職人が担当し、その磨かれた技によって一定の品質を保っています。

木地

お仏壇の骨格

すべての寸法の元となる「杖」と呼ばれるモノサシを用いて、細かい部品を組立て、お仏壇の基礎となる木地を製作します。設計に狂いのないよう、熟練の職人が一つひとつ仕上げます。

彫刻

繊細かつ精密な彫刻刀裁き<br>木に命を与える絶妙な技

時には優美で繊細な天人や雲、また時には勇ましい龍など、まさに木に命を与えるかのような見事な技。
絶妙な角度、絶妙な力加減で、約100本もの彫刻刀を自在に操つりながら、丹念に彫り上げます。

塗装

唐木仏壇の、仕上がりを支える

美しい木目が特長の「唐木仏壇」の仕上がりを左右する塗装工程。お仏壇が組み上がった時にすべて統一された色味になるよう、職人が微妙な色合いを調整しながら、色付けや艶消しなどを繰り返し行います。

漆塗り

金仏壇の耐久性や、仕上がりを左右する

見た目の美しさや耐久性を高めるために「金仏壇(塗仏壇)」に欠かせない漆。下地に膠(にかわ)と砥の粉(とのこ)を使用する昔ながらの製法は、現代主流の化学塗料とは違い劣化が遅く、長持ちする。
室内は常に温度25度、湿度80%に調整、すばやく塗っては細かな糸くずを取り除き、乾かしてはまた塗るという工程を繰り返す、非常に根気と集中力を要する工程です。

金箔押し

豪華絢爛な、金仏壇の代名詞

厚さ0.0001mmとも言われる金箔を、一枚ずつ箔箸で、軽く押し当てて付けていきます。付け過ぎた金箔は丁寧に刷毛で落とし、仕上げて行きます。艶や色の具合はもともとの金箔の色や下地の色によって変わるため、良質な金箔、下地塗装が欠かせません。

金具

一打一打に、思いを込めて

銅・真鍮などの板に鏨(たがね)を当てて金槌で叩くことで凹凸を出し、様々な装飾や取付け用の部品などを作製する工程。地紋としてよく用いられる魚子(ななこ)は、金具職人の基本であり、技量がわかる技法。腕利きの職人による魚子には圧巻の一言。

蒔絵

優雅で繊細な、漆工芸の伝統技法

漆塗りされた部品の表面に、漆を含ませた筆で絵や文様を描き、乾き切らないうちに金粉、銀粉などを蒔いて定着させる漆工芸の伝統技法です。近年では、シルクスクリーンなどの印刷表現を用いられることもある蒔絵ですが、熟練の職人が一筆一筆、想いをのせて描いたものには、何とも言えず優雅で繊細な美しさが宿っています。

組立・検品

職人の想いをひとつに

一つひとつそれぞれの職人が作り上げた部品を丁寧に組み合わせていきます。組み上がったお仏壇は、塗装の微細な色むらや、扉や棚の開閉など細かく確認、最終調整を行い、ひとつのお仏壇が完成します。

佐倉を支えてくれている匠の皆さま